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Mike's Blog

これまで読んできた本を引用を含めて紹介します。 Introducing books I have read including citation http://www.arsvi.com/w/km18.htm

山田 ズーニー『伝わる・揺さぶる!文章を書く』を読んで

 

伝わる・揺さぶる!文章を書く (PHP新書)

伝わる・揺さぶる!文章を書く (PHP新書)

 

 文章を書くすべての人の必読書です。以下に重要と思われる箇所を引用します。

・…文章の「ゴール」、つまり、その文章は、最終的にだれに読まれ、どうなることを目指すのか、に着目する…文章の善し悪しは、目指すゴールによって違う…まずゴールを明確にすること。そして、ゴールから逆算して必要なことを、必要なレベルまでやればいい。(p.29-31)

・ポイントとなるのは、読み手の心を動かすことだ。読み手の心が動けば、なんらかのかたちで状況は動き、結果は出る…つまり書くことによって、あなたがあなたの潜在力を生かし、読み手を共鳴させることだ。読み手に、共感・納得・発見などの心の動きが生まれれば、やがてそれは読み手の内部で大きな振動となって、読み手自身の潜在力を揺さぶり起こすだろう。(p.32-33)

・では、状況の中できちんと機能する文章をかくためには、何と何を考えていけばいいのだろうか。…
1.意見
――あなたが一番言いたいことは何か?
文中に、…あなた自身の見解・意志を明確に打ち出すこと。
2.望む結果
――だれが、どうなることを目指すのか?
文章が機能した果てに紡ぎ出したい状況を、できるだけ具体的に描くこと。
3.論点
――あなたの問題意識はどこに向かっているか?
論点とは、文章を貫くあなたの問題意識だ。あなた自身と読み手、双方の問題関心から、ずれていない論点であること…文中にあなたが提起している「問い」は、良い価値を生むものになっていること。
4.読み手
――読み手はどんな人か?
望む結果を得るために、だれに書けばよいかを考え、最も適切な相手に向けて文章を書くこと。また、その読み手はどんな人かを知り、理解すること。どんな興味・問題関心・背景を持っているか、現在の状況はどうか。あなたの書くものは読み手に、興味を抱かせられるか、どんな意味があるか。読み手にフィットした内容である、もしくは読み手の個人差を超えた普遍的な内容であること。
5.自分の立場
――相手から見たとき、自分はどんな立場にいるか?
自分は相手からどのような人物と見られているか。…結果を出すためには、自分というメディアの信頼性・影響力を上げていかなくてはならない。初対面の相手や、自分との信頼関係がまだない相手なら、頭のところで、相手との関係性をよくする内容や自分というメディアの信頼性を示す自己紹介を加えるなどの工夫が必要だ。読み手から見た自分の見え方、立場を知り、それに応じた文章対策をすること。
6.論拠
――相手が納得する根拠があるか?
自分の主張の正当性を示す根拠が、しっかり筋道立てて述べられ、相手にとって納得のいくものになっていること。文章の説得力は「論拠」から生まれる。
7.根本思想
――あなたの根本にある想いは何か?
根本思想とは、文章の根底にある書き手の価値観・生き方・想いだ。…自分の想いや生き方にうそのない文章を書くこと。…自分の書くものを大きく変えるためには、根本思想にメスを入れる必要がある。(p.33-35)

・文章の核はあなたの「意見」だ。「言いたいこと」がなければ、文章は成立しない。(p.40)

・意見とは、自分が考えてきた「問い」に対して、自分が出した「答え」である。(p.41)

・自分で「問い」を立て、自分で「答え」を出す、さらに、その答えに、新しい問いを立てる。問い→答え→問い→答えを繰り返していくことで、考えは前に進む。大きな問いに、いきなり答えを出そうとすると、考えるのがいやになってしまう。そこでまず、その問いを考えるために有効ないくつかの小さな「問い」を洗い出す…数を出していけば、徐々に慣れてきて、いい問いが立つようになる。洗い出した「問い」を選んだり、整理しながら、それぞれの問いについて、自問自答を繰り返す。これを、粘り強く繰り返していけば、自分の考えがはっきりする。これがあなたの「意見」だ。(p.45)


・何が問題か?
・原因は?
・何が障害になっているか?
・だれが鍵を握っているか?
・どうしたらできるか?
・似た事例はないか?
というふうに、役立つ「問い」を、自分でストックしておくのも手だ。また、人に相談したり、ディスカッションしたりすると、相手から、有効な「問い」がもらえることがある…常に意識しなければならないのは、問い。「問い」を発見することだ。(p.50)

・…行き詰まったときは、「問い」を立てるエリアをできるだけ広げてみよう。(p.53)

・状況の中で機能する文章を書くには、あらかじめ「何のために書くか?」結果をイメージすることが必要だ。(p.54)

・何のために書いているのか、わからなくなってしまったら、次の順序で、自分に問いかけてみよう。
1.自分は今何を書いているのか?書こうとしているのか?
2.だから、何なのか?それは読み手にとってどんな意味があるのか?
3.読み手にどうなってもらいたいのか?そのためにどう書けばよいのか。(p.58-59)

・自分が書いたもので、読み手にどういう価値を提供したいのか、読み手や状況がどうなっていくことを望むのかが、明確にイメージできればよいのだが、慣れないと難しい。そこでこんないい方法がある。自分が書いた文章を読み終えたとき、読み手に、どう言ってもらいたいか、その言葉で結果をイメージするのだ。これなら、結果を具体的に描きやすい。(p.59-60)

・「論点」とは、文章を貫く問いだ。筆者の問題意識と言ってもいい。よく「独自の切り口」と言われるのが、論点のことで、どのような問題を、どのような角度で扱っているかということを指す。文章の方向も、読み手の興味も論点で決まる。(p.64)

・機能する文章を書くためには、自分と読み手の問題関心から外れない論点を設定することが必要だ…自分の関心事をいかに、相手に興味ある切り口で書けるか。相手の関心事をキャッチしつつ、それを、いかに自分の興味ある問いに発展させられるか、腕の見せ所だ。(p.67)

・論点と意見は、問いと答えの関係にある。文章で明示されていても、省略されていても、意見の裏には、それを導き出した「問い」、つまり論点がある…次の2つのことに注意してほしい。1つ目は、最終的に書き上げた文章の論点が一貫していることだ…2つ目、大切なのは、「問い」を意識しつつ、文章を書く習慣をつけることだ。(p.70-71)

・論点は文章を貫く問題意識だ。はっきりとした疑問文で書くクセをつけよう。(p.73)

・私たちが、日常生活や仕事でものを書くとき…そこには、たいてい制約があるものだ。その制約とは、第1に、読み手は何を求めているかということ。第2に、テーマは何かということ…第3に、それらに対して自分には何が書けるかということ…「読み手」「テーマ」「自分」の3つが、論点の候補を探すべきエリアだ。(p.75)

・はずさない論点は、自分に求められていることを正しく深く受けとってこそ立てられる…まず相手の主張を読む・聞く・理解することに時間をとろう。手紙やメールへの返信なら、来た文書を読むことだ…書くためには、最低2回は読もう。1回目は、…全体を一気に通して読み、「相手が本当に言いたいことは何か」を掴む…2回目にはじっくりと、次のようなところには線を引いて読むといい。
・相手の主張が一番強く出ているところ(意見)
・相手は何を根拠にしているか(論拠)
・相手の問題意識はどこに向かっているか(論点)
・相手がくり返し言っている言葉(キーワード)
…その上で、相手は、自分に何を求めているのか?提言なのか、なぐさめなのか、謝罪なのか、と自分の文章が果たすべき役割をつかもう。(p.75-76)

・論点を決めるとは、最終的に上がった疑問文の中から1つを選ぶことだ。いくつかの候補の中から絞り込んでいくためには、次のような点を考えるとよい。
1.自分に切実な動機がある問いか?
2.読み手の要求にかなっているか?
3.自分の力量で扱いきれるか?
4.社会的に見て論じる価値があるか?(p.79)

・関係性を考えるとは、まず、相手についての理解を深めること、次に相手から見た自分の立場を知ること。その上で、相手と自分の関係を発見することだ…相手を知るためには、いい問いを立てることだ。あなたがこれから書くことは、
・相手にわかるか?
・相手が興味を持てる内容か?
・相手にこれを読むとどんな意味やメリットがあるか?
・相手はどんな人か?
・相手は今、どんな状況か?
・これを読んで相手はどんな気持ちになるか?(p.85-86)

・「相手に理由を聞いてみる」。このあたりまえのことを、私たちは、意外に見落としていないだろうか。説得のためには「相手の反対理由」を正確に押さえる必要がある。いちばん良い方法は、「どうして反対なのか」とただ問いを突きつけるだけでなく、相手側の理由を、突っ込んで聞いてみることだ。そのときのポイントは次の3つ。
・理由を洗い出してもらう。
・その中から、優先順位の高いものを決めてもらう。
・それ以外に後から、別の理由を持ち出さないよう確認しておく。(p.94)

・論拠の用意、入門編のポイント
1.まず、自分側の理由を洗い出す。
2.相手側にとってのメリットをあげてみる。
3.相手の反対理由を正確に押さえる。
4.相手の反対理由に焦点を合わせ、説得材料を見たり、聞いたり、足を運んで調べる。
5.相手にわかるよう筋道立てて論拠を提示する。(p.95)

・多角的に見るとは、例えばこのようなことだ。
(1)自分の体験・見聞を洗い出す

(2)必要な基礎知識を調べる

(3)具体的事例を見る

(4)別の立場から見る

(5)海外と比較して見る

(6)歴史を押さえる(背景)

(7)スペシャリストの視点を知る (p.100-101)

・短く言うということは、大事なものだけを残して、あと全部を捨てることだ。短く言えないということは、大事なことの順番が自分にもわかっていないということだ。(p.108)

・多角的にものを見るには、最低でも次の2つを実践する必要がある。
1.自分の立てた論に自分で反論してみる。
2.対立する相手の「論拠」を押さえる。(p.120)

・より説得力のある論理構成にするためには、論拠を示し、それに対し相手から予想される反論を自分で示し、それに再反論する、という手続きをとることだ。(p.126)

・人を説得するためには、まず、自分という人間を信頼させなければならない。あなたが何かを発信する前に、相手から、「この人物の言うことは、信頼できる、役立つ」と思ってもらうことが必要だ…人は自分を理解してくれ、評価してくれる人に信頼をよせ、その人の話には、素直に耳を傾ける…相手が、どんな仕事をやってきたか、どういうことを大事にしてきたかを、まず調べてみる。仕事の成果が形になっていれば、それを見たり…これまでにまとめた報告書の類いがあればそれを読んでみる。相手の過去の仕事や、取り組む姿勢に、心から共感できることがあれば、それを文章の頭においてみるといい。相手が大事にしているところを的確に認めることで…信頼が生まれる。(p.127-128)

・依頼文の構成
挨拶
 ↓
自己紹介(私はどういうものか?)
 ↓
(何を目指しているか?)
 ↓
依頼内容(何をお願いしたいか?)
 ↓
依頼理由(なぜ、あなたか?)
 ↓
条件(期日・謝礼などは?) *別紙要項に
 ↓
返事を伺う方法・締めの言葉等(p.132)

・依頼の手紙で一番心がけたいのは、相手のやる気を引き出すことだ…
(1)志に共感してもらう

(2)面白いと感じてもらう

(3)相手がやる必然性がある(p.135-136)

・議事録を書くいちばんのポイントは、議題を「問い」の形にして頭に大きくはっきり書く。(p.142-143)

・出席者が「何を」話しているかではなく、「何について」話しているか?発言の裏にある、「問い」つまり論点に注目して聞き、メモをとるのだ…そして最終的に、今日の会議は、結局何について話されていたのか?それを考えて、1つの疑問文にして議事録の冒頭に書こう…議題を「問い」の形にして、はっきりさせれば、あとは、議事録は書ける。まず、問いに対して、どんな「答え」を出したか?これが、その会議での「決定事項」だ。ラストに書けばいい。「問い」と、「答え」の間には、その問いをどんな手順・方法で検討したか?(会議の流れ)、その問いに答えを出す上で、何を大事にしたか?(議事の要点)を、優先順位を決めて、大きなものから3つ程度書けばいい。細かいことはいらない。優先順位をつけるのが仕事だ。(p.146-147)

・志望理由を固める質問<大学編>
1.たくさんある学部・学科から、あなたはなぜそこを選んだのでしょうか?
2.その学部・学科はどんなことを研究するところですか?
3.その学部・学科で研究していくには、どんな能力・資質が必要ですか?
4.その学部・学科で扱うテーマに関係して、今、世界や日本で、どんな問題が起きていますか?
5.上で答えたことの原因は何で、解決にはどうしたらいいと思いますか?
6.その学部・学科で扱うテーマに関係して社会を見たとき、5年後、10年後に実現したい理想の 社会は、どんな社会ですか?
7.学部・学科と絡めて、あなたは将来、どんな仕事をしたいですか?
8.あなたの過去・現在をふりかえって、あなたは学部・学科にふさわしい、どんな長所を持っていますか?またどんな努力をしていますか?
9.あなたが、その学部・学科で、ぜひ研究したいことを、意欲をもって、具体的に、人にわかるように説明してください。(p.152-153)

・志望理由を固める質問<仕事編>
1.たくさんある仕事から、あなたはなぜ「教育サービス」を選んだのでしょうか?
2.「教育サービス」はどんな仕事ですか?
3.「教育サービス」で仕事をしていくには、どんな能力・資質が必要ですか?
4.「教育サービス」に直接的、間接的に関係して、今、日本や世界では、どんな問題が起きていますか?
5.上で答えた問題の原因は何で、解決にはどうしたらいいと思いますか?
6.「教育サービス」という視点で社会を見たとき、5年後、10年後に実現したい理想の社会はどんな社会でしょうか?
7.「教育サービス」において、あなたはどんな仕事をしたいですか?
8.あなたの過去・現在をふりかえって、あなたは「教育サービス」に就職するのにふさわしい、どんな長所を持っていますか?またどんな努力をしていますか?
9.以上のことを総合し、あなたは、なぜ「教育サービス」の仕事を選んだのか?そこで何を目指すのか?を、意欲をもって、具体的に、人にわかるように説明してください。(p.155-156)

・なぜ、そこを選んだのか?…相手の、ものの見方・考え方、つまり、大学であれば教育方針、企業であれば事業方針や理念がキーになる。
・相手側はどんな「方針・理念」を持っているか?
・「方針・理念」を具体化するどんな事例なり、人材なりがあるか?
・自分は「方針・理念」の、どこにどう共感するか?(p.159)

・志望理由書の要件

(1)志望分野をとりまく社会認識
志望分野をめぐる、今の人と社会を自分はどう見ているか?問題点・原因は何か?よりよくするためには何が必要で、人と社会のどんな理想を実現させたいのか?
(2)志望分野との関係における自己認識
志望分野において、自分は何をやりたいか?動機は?その分野にふさわしいどんな経験、能力、資質があるか?また、自分が採用されることで、相手や社会にどんな貢献ができるか?
(3)先方を選んだ理由
他ならぬ先方を選んだのはなぜか?相手のどんな理念に共感するのか?(p.162-163)