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Mike's Blog

これまで読んできた本を引用を含めて紹介します。 Introducing books I have read including citation http://www.arsvi.com/w/km18.htm

三浦修『論文レポートの書き方』を読んで

 

論文レポートの書き方 (実日新書 A- 28)

論文レポートの書き方 (実日新書 A- 28)

 

 論文・レポートを書く人のための参考書です。以下に重要と思われる箇所を引用します。

・…ひとつのレポートを完成するということには、テーマを考え、資料を選び集め、構想を練り、ムリ・ムダ・ムラのない叙述で調査の結果を文書化する、という内容が含まれる。けっして一夜漬けや、やっつけでできる仕事ではない。(p.17)

・…テーマを縮小するというのは、問題を専門化することにつながる。専門化が進むにつれ、調査の 焦点がはっきりする…テーマの縮小・専門化をどの辺でストップするかは、ケース・バイ・ケース、その人その人によってちがう。とりあげた問題についてレポーターがそれまでに貯えてきた知識、レポート作成に許される時間、利用できる資料の良否・多少、などなどの条件が決めることだといってもよい。が、レポートのテーマは小さいほうがいい、という原則には変わりがない。(p.20-21)

・資料は多ければ多いほど、変化に富めば富むほどよいことはいうまでもない。が、それも資料の品質がよければ、の話である。たくさん、いろいろと集める前に、それぞれの資料の是非・適否を識別することがたいせつである。(p.25-26)

・たいていの場合、なまの資料よりは加工資料のほうが、手に入りやすく、わかりやすい…それでもなお、正確をむねとする調査では、ほとんどの場合、なまの資料は加工資料にまさる...なまの資料はそのものズバリ、それ自体について判断をあやまらせる危険がない…なまの資料についての加工資料にも、やはりまちがいがないとは限らない…とりわけ科学実験・実態調査・芸術鑑賞など…では、なまの資料と加工資料とはきびしく区別して扱わなければならない。なぜなら、そういうレポートでは、レポーター自身の実験結果・調査統計…が、いちばんたいせつななまの資料になるからだ。(p.27-28)

・…文献…に資料を求めるときには、筆者の正体を十分に知ってとりかかることが望ましい。筆者の履歴・現職、とりわけ筆者が扱っている分野での従来の業績などが参考になろう。(p.31)


1.書名・目次を読めば、取り扱っている問題とその範囲とがはっきりするだろう。取り扱っている問題の範囲が、自分の調査の資料として役立つかどうか、考えてみる。
2.序文を読んでみよう。自分の調査に役立つような目的で書かれているかどうか。序文で資料(書物)について断ってあれば、筆者が使っている資料が自分の調査に関係があるかどうか、考えてみる。
3.序文で資料について断ってなければ、パラパラめくってみて、引用文などの出典を求める。また、巻末の索引にあたる。出典や索引について、前条とおなじ考察を試みる。
…どこでもよい、二、三ページを通読して、知識に対する筆者の誠実さ謙虚さを判断してみよう。偏見・誇張・希望的観測など、これまで触れてきたレポートを傷つける欠点を筆者はちゃんと避けているかどうか。ムリ・ムダ・ムラのない文章で叙述が一貫しているかどうかを考えてみる。また、引用は解説の身元証明であり、引用の取り扱い方ひとつで、信頼できる書物かどうかが、かなり判定できるとも言える。(p.37-38)

・資料は多ければ多いほどよい、しかしきちんと整理しながら集めなくては…たいへんな時間と労力とのロスができる。だから、ひとつの資料を手に入れたら、まず「何から」得たか、つぎに「何を」得たかを、そのたびごとにはっきりさせておくほうがいい。つまり「何から」「何を」得たかについて、そのつどしっかりメモをとっておくことだ。(p.53-54)

・ここでは、要約の方法について考えてみる。
1.サンプルの文章をまず選ぶ…
2.原文を精読する…注意深く、なんどでも読んで、文章のテーマが何かを判断し、原文の筆者の意図を考える。
3.テーマをささえ、解説していることがらを、重要なものの順に抜き出していく…
4.要約を書く。説明は、原文の表現にとらわれず、なるべく自分のことばで言いかえる。テーマを中心に、原文に含まれたことがらを、過不足なく一定の長さにまとめる…
5.検討。これがたいせつである。原文にあっただいじなことがらが要約では抜けてはいないだろうか。逆に、原文になかったよけいなことがらが要約にまぎれこんでいないだろうか。原文としっかり照らし合わせる。(p.103-104)

・推敲でもおなじこと。まず、レポートとの距離をとらなければいけない。そのために、一日でも二日でも、あるいは一週間でも、書いたレポートは机のひきだしにでもしまっておく。逆に、書いたレポートをすぐ推敲したりすると、こまかな点はともかく、レポートの構成上のミスが見つかりにくい…まず、レポートを通読してみる。はじめに考えたアウトラインとおなじか、またはそれ以上に、それぞれのパートがうまくつりあい、全体としてまとまっているかどうか。すじがちゃんと通っているかどうか、引用・注などの扱い方が…原則をはずれていないかどうか。レポーター自身がしんらつな批評家になったつもりで、自分のレポートのアラさがしをする。文章も検討してみる…長すぎても短すぎてもおいしくない…読みやすくわかりやすい文章に仕立てよう。句読点もバカにならない。(p.125)

・テーマを小さく絞り、資料を精選収集し、ガッチリしたアウトラインをつくり、スジの通ったわかりやすい文章で書く、ということは、論文でもレポートでもまったくおなじ作業である。(p.158)