Mike's Blog

これまで読んできた本を引用を含めて紹介します。 Introducing books I have read including citation http://www.arsvi.com/w/km18.htm

松本茂・河野哲也『大学生のための「読む・書く・プレゼン・ディベート」の方法』を読んで

 

大学生のための「読む・書く・プレゼン・ディベート」の方法

大学生のための「読む・書く・プレゼン・ディベート」の方法

 

大学生の必読書です。以下に重要と思われる箇所を引用します。

・少なくとも、以下の3種類の読書のしかたができなければ、大学の講義に追いつき、試験やレポートにうまく応じることはできないだろう…
①鑑賞(鑑賞的読書)
②速読(通覧的速読)
③批判的読解

①の鑑賞(鑑賞的読書)とは、とくに緊急の目的なく、楽しみとして本を読むことである…②の通覧的速読…とは、あるテーマに関して、重要な著書や論文、その他の資料に、文字どおり、ざっと目を通して通覧することである。ひとつのテーマにかかわる必要な情報を集め、偏りなく多様な意見を知るには、たくさんの文献を読む必要がある。そのための速読であり、それは単に早く読むというよりも系統的な拾い読みのことである…ひとつの著作に時間をかけずに概要だけを把握し、多くの著作に目を通して、そのテーマについての研究の地図や目録のようなものを作ることを目的とする。③の批判的読解とは、ある文献について、そこに含まれる立論が正しいかどうかを検討しながら読み解くことである。というのも、ある文献を正しいかどうか検討する過程そのものがレポートや論文のテーマを与えてくれるし、自分の主張を形成するときにも、文献との比較で自分の立場を明確にすることができるからである。ただし、批判的読解にはつぎの注意が必要である。第一に、批判的読解は論説文に含まれる主張について、それが真か偽か、妥当か否か、正しいか誤っているか、有効かどうか、について検討するものであり、文学作品などを鑑賞する場合には不向きの読書態度である…第二に、批判は反論ではない。反論はある立論に対立する(矛盾する)別の立論を述べることである。批判はある立論についてそれは本当に正しいかどうかを検討することである。第三に、批判的読解の結果、その主張が正しいと確証されることもある。批判は否定することではなく、同意に至ることもある。(p.11-13)

・主張を裏づけるための証拠には以下の3種類がある。
①実証的データ:実験、観察、社会調査(アンケート法、インタビュー法、心理テスト、観察法)、質的研究などの科学的方法によって収集されたデータや事例報告。
②引証:専門家の著作や論文からの引用や証言。信頼できる組織・機関が発表した意見。
③常識:いわゆる常識や社会的通念、多くの人が同意していると思われる主張。
学術的な証拠としては、①や②が望ましく、③はやや証拠能力が弱い。②についても再検討の余地があるかもしれない。(p.17)

・…レポートも論文も読者がいて、その人たちに読ませるものだということを忘れてはならない。(p.47)

・レポート・論文を書くときには以下の非倫理的行為に気をつけなければならない。まず、剽窃は厳禁である。剽窃とは、盗作(plagiarism)のことで、他人の創作物や考えなどを自分の作として発表することである。他人のレポートの剽窃は、試験のカンニングと同じ処罰対象である。また、自己剽窃、すなわち、同じ内容の自分のレポートをたらいまわしにして、他の講義のレポートに使うことも剽窃の一種であり、絶対に行ってはいけない。テキストや参考文献などの著作物からの無断引用も剽窃であり犯罪である。著作権を保護するためには引用・参考(間接引用)の典拠をはっきり示す必要がある。引用とは、著作から字句を変えずに原文のままに引くことであり、参考とは、著作の内容をまとめて、自分の言葉に置き換えて引くことである…参考文献を巻末にリストアップさえすれば、後は読んだものを自分の言葉に書き直せばよいと思い込んでいる学生も見受けられるが、これは認められない。どこが引用部分かがわかるように書いて、自分の意見と他人の意見を区別しなければならない…また引用はあまり長くなったり、過多であったりしてはいけない…引用は、繰り返し言及したい表現、重要な主張や概念、正確に参照すべき言明やデータの場合に限って、それが確かに著者(あるいは著作)に帰属していることを証明する一種の証拠品のように短く提示する…インターネット上の情報で利用してよいものは、大学が発信する情報、学会など学術団体が発信している情報、新聞やテレビ局などマスコミが発信している情報など、信頼できる機関からの情報以外使用してはならない。いずれにしても、インターネット上の引用をする場合は、情報の信憑性に注意を払い、かならずURLとコピーした日付を注に明記すること。(p.59-61)

・視聴覚補助機器を使用するかどうか、どの機器を使用するかを決めるにあたって、検討すべき主な要素は以下のとおりである。
・使用するスライド等を準備する時間的な余裕はあるのか
・会場に機器を用意できるのか
・会場は機器を使用するのに適しているのか(照明やブラインド等)
・発表前に機器を設定する時間的余裕はあるのか
・聴衆は何名か
・図や写真を用いて説明したほうが効果的か
・動画を見せるほうがより効果的か
・プリントアウトした資料を配布するのか
PowerPointのスライドは、プレゼンを無難に行うのには大いに助けになる。スライドを順番に見せながら話せば、あるポイントを話し忘れることもない。また、重要な点はスライドに書いてあるので、それを読めばよいし、第一、聴衆の視線がスクリーンに注がれるので、プレッシャーを感じることが少ない…しかし、落とし穴も多いので、つぎの点を注意したい。
①枚数が多すぎないか
…目安は、2~3分に1枚であろう。つまり10分間のプレゼンであれば、3~4枚が限度であろう。それ以上になると…話の内容が聞き手の印象に残らない危険性がある。
②字数が多すぎないか
1枚のスライドに多くの字を詰め込まないことが肝要である。スライドは「読む」というよりも「見る」ためのものであると考えたほうがよい。…
③読むことと聞くことは両立しない ④字が小さすぎないか
字の大きさ、色のコントラスト、図や表のわかりやすさなどに注意し、聞き手にとって見やすいものに仕上げる必要がある。…
⑤会場が暗すぎないか

⑥互換性はあるか

⑦操作は大丈夫か (p.110-112)

・プレゼンを成功させるためには、直前まで準備を怠ってはならない。会場にはかならず事前に行ってみなければならないのはもちろんだが直前にもできるだけ早く会場に行って、会場に入り込む太陽光線の具合、空気がよどんでいないかどうかなどのチェック、マイクのテスト、パソコンやプロジェクターのチェックおよびセッティングなどをする。とくに、パソコンやプロジェクターのセッティングは予想に反して時間がかかったり不具合が起きたりすることがあるので、可能であれば、少なくとも前日までに一度練習をしておくとよい。(p.121)