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Mike's Blog

これまで読んできた本を引用を含めて紹介します。 Introducing books I have read including citation http://www.arsvi.com/w/km18.htm

佐藤優『読書の技法――誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門』を読んで

 

読書の技法 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門

読書の技法 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門

 

本を読むのが好きな方におすすめの一冊です。以下に重要と思われる箇所を引用します。

・まず正しい道、すなわちすでに確立されている伝統に即して本を読むことが重要だ…受験勉強で勉強した内容は、かなりの部分が記憶の蔵に蓄えられている。あのとき勉強した知識も、仕事や人生の役に立てるために再活用するという意欲を持ち、正しい方法論、すなわちより高度な専門知識を身につけるために高校レベルの基礎知識が不可欠であるとの認識を持って、再度、教科書と受験参考書をひもとけば、その知識は確実に生きた知に転化する。(p.8-9)

・正しい方法論を確立するために重要になってくるのは、時間という制約要因について、常に頭に入れておくことだ…数学や外国語の学習は、身体で覚えなくてはならない部分があるので、毎日10時間、集中的に学習するというような手法での学力向上には限界がある。毎日2時間の学習を1年から1年半続けるのは社会人にとって相当のコストだ。その時間、他の勉強や仕事に取り組むことによって期待される成果との機会費用について考える必要がある…正しい方法論には、捨てる技法も含まれる。(p.9-10)

・正確で深い情報を入手するためには、書籍をどう読むかが鍵になる…人間の能力には限界がある…しっかりと頭に入れておかなくてはならない情報を選別する作業を30分くらいで行い、残りの時間はここで選ばれた重要情報だけを丁寧に読むのである。読書術にもこの方法を応用することができる。(p.24-25)

・「熟読できる本の数は限られている」というのは、読書の技法を考えるうえでの大原則である…それ以外の本は速読することを余儀なくされる…もっとも速読する場合も、その本に書かれている内容についての基礎知識がなければ、そもそも読書にならず…速読とは言わない。逆に基礎知識がついているならば…既知の内容に関する部分は読み飛ばし、未知の内容を丁寧に読む。このように速読を行うことによって時間をかなり圧縮することができる。(p.26-27)

・上辺の読書量だけを真似してもまったく意味がなく、また真似することもできない。基礎知識があるからこそ、該当分野の本を大量に読みこなすことができるのだ。ロシアの知的エリートは、大学入学前に徹底的に教科書を読み込む…日本でも、大学受験のために歴史を丸暗記する学生は少なくない。しかし、歴史の論理を理解しないまま丸暗記するので…しばらくすると、ほとんど忘れてしまう。ロシアやイギリスの知的エリートは、きちんと理解したうえで徹底的に暗記につとめるので、その知識が血肉となり、将来応用が利くものになる。そうした基礎知識を高等教育までで徹底的に詰め込むからこそ、大学入学後、驚くほどの速度で大量の本を読みこなすことができるのである。(p.43-44)

・数ある本の中から、真に読むに値する本を選び出す作業の過程で速読術が必要とされるのだ。速読の第一の目的は、読まなくてもよい本を外にはじき出すことである。(p.51)

・熟読する本を選ぶ際、いちばん簡単で確実な方法は、その分野に詳しい人に聞くことである…企業や官庁の実務家は…客観的なアドバイスをくれる。周囲に専門家がいない、いても敷居が高くて相談しづらい場合には、書店を活用することをおすすめする…もし近くにそうした書店がない場合には、その分野に関する雑誌や新聞の連載の中から、説得力があると思われる論者を見つけ出すことである。優れた学者や評論家は、必ず自分の言説の根拠となる出典を明示するし、おすすめの入門書や関連図書もどこかで紹介するはずである。いずれの形であれ、未知の分野で本を選ぶには、「水先案内人」が必要になる。誰かに手引きしてもらうことで、入り口でつまずく確率を大幅に減らすことができる。(p.53-54)

・読者が知りたいと思う分野の基本書は、3冊もしくは5冊購入するべきである…その理由は、定義や見解が異なる場合、多数決をすればよいからだ…そこでの多数決に従えば、少なくとも素人判断を避けることができる…学術的な真理は本来、多数決とはなじまないということをよく念頭に置いたうえで、日常的には暫定的に多数決に従って知識をつけていくしかない。(p.54-56)

・重要なことは、知識の断片ではなく、自分の中にある知識を用いて、現実の出来事を説明できるようになることだ。そうでなくては、本物の知識が身についたとは言えない。(p.58)

・真ん中くらいというのは、実はその本のいちばん弱い部分なのである。あえて、このいちばん弱い部分をつまみ読みすることで、その本の水準を知るのである。(p.60)

・熟読法の要諦は、同じ本を3回読むことである。基本書は最低3回読む。第1回目は線を引きながらの通読、第2回目はノートに重要箇所の抜き書き、そして最後に再度通読する。(p.63)

・超速読の目的は2つある。ひとつは…「この本が自分にとって有益かどうか」「時間をかけて読むに値する本かどうか」の仕分けである。しかし、この判断ができるためには、その分野について一定の基礎知識があるというのが大前提になる…超速読のもうひとつの目的は、「この本はこの部分だけを読めばいい」「この箇所を重点的に読めばいい」という当たりをつけることである。(p.78-79)

・普通の読書で最も重要になるのは…基礎知識だが、その次に大切なのは、本の内容を100パーセント理解しようという「完璧主義」を捨てることだ。「時間は有限であり希少財である」という大原則を忘れてはいけない…「もう二度と読まない」という心構えでのぞむことが大切だとも言える。そうした気持ちで取り組まないと、必要な情報が目に飛び込んでこないし、頭にも残らない。(p.88)

・読書ノートを作る最大のポイントは、時間をかけすぎないことだ…自分で時間を決め、それ以上、時間をかけないようにする。時間を制限することで、抜き書きできる箇所はおのずと限られてくる…どの箇所を取捨選択するかも、記憶への定着に大きく寄与する。大切なのは正確な形でデータを引き出せることと、積み重ねた知識を定着させることで、完璧なノートを作ることではない。(p.103)

・それでは、自分自身の基礎学力の欠損をどのように診断したらよいのだろうか…まず重要なのは、理解できている部分とそうでない部分の仕分けである。筆者は読者に、大学入試センターの試験問題を活用することをすすめる。(p.114-115)

・では、基礎知識の欠損部分を埋めるためには、どんな本を読めばいいのか。筆者は、高校レベルの教科書と学習参考書を活用することをすすめる。(p.120)

ビジネスパーソンの場合、筆者のようにまとまった読書時間を確保するのは難しいかもしれない。その場合は、細切れ時間をうまくかつようできるかどうかが鍵になる…忙しいビジネスパーソンでも…1時間を作り出すことはできるはずだ…要は休日を含め、継続を怠らないことだ。時間を効率的に用いるためには、「終わりから考える」ことも効果的だ。年頭に学習計画を立て、半年後、1年後に自分が何をしているかを考え、そのために必要な知識をどのようにして身につけたらよいかを考えると、効率よく知識を身につけることができる。(p.256-258)