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Mike's Blog

これまで読んできた本を引用を含めて紹介します。 Introducing books I have read including citation http://www.arsvi.com/w/km18.htm

波頭亮『経営戦略論入門――経営学の誕生から新・日本型経営まで』を読んで

 

 経営戦略論の入門書としておすすめの一冊。以下に重要と思われる箇所を引用します。

・ファヨールによれば、企業の活動は大きく六つに分類できる。

①技術に関すること:生産・製造・技術開発など。

②商業に関すること:販売・営業・購買、つまり売り買いに関すること。

③財務に関すること:どこからどうやってお金を調達するか。

保全に関すること:ヒトやモノなどのリソースの管理…

⑤会計に関すること:入ってきたお金をどのように使うか…

⑥管理に関すること:組織をコントロールするためのルールや制度を指す…どういう命令系統をとるか、どういう生産計画・予算計画を立てて、いかに実行するか。(p21-22)

 バーナードによれば、組織が有効に機能するための条件は三つある。まずは目標の設定。メンバーが目標を共有する必要がある。二番目がコミュニケーションのシステム…三番目がモチベーション・コントロール…(p.26-27)

・…新しい分野に進出しようということになると、組織はその戦略に合わせて設計すべきである。これが、「組織は戦略に従う」の意味である。(p.34)

・…“既存の強みを生かせる”ということが、「シナジー」の概念である。(p.35)

・「SWOT」分析…具体的には、強み…・弱み…については、自社の有形・無形の経営資源…について、それらが競合他社より優れているか、劣っているかで評価・整理する。また、機会…・脅威…については、外部環境、即ち組織が目標を達成するうえで影響を受ける可能性のあるマクロ要因(政治・経済、社会情勢、技術革新、法的規制など)とミクロ要因(市場トレンド、顧客の価値観、価格傾向、競合他社、など)を評価・検討し、促進要因と阻害要因に分けて整理する。(p.39-40)

・ポーターが…競争環境の中で自社の力量を客観的に把握すれば、とるべき戦略はたった三つのパターンに集約されるということを提起した…一つ目の戦略パターンは…「コストリーダーシップ戦略」。シェアが最大のトップ企業なら…スケールメリットを効かせてより安いコストで競合と同等のものを提供することによって競合の戦略を封じ込めることができるという戦略パターンである…二つ目の戦略パターンとして「差別化戦略」を挙げている…二番手、三番手の企業はトップが真似できないような“差別化”を図ることが有効な戦略となる…三つ目の戦略パターンは、より狭い地域や特定の顧客層、特定の製品分野にターゲットを絞り込み、そこに自社の経営資源を集中的に投入する「集中戦略」である。(p.49-51)

・…コトラーはマーケット上の自社のポジションによって採るべき戦略のパターンを四つに分類した…市場での地位が一番手の「マーケットリーダー」の採るべき戦略は…競合が何かをしかけてきたら、そのつどプラグ…をするのが有効である…二番手が「マーケットチャレンジャー」…トップが真似できないような際立った差別化を指す。明らかに違うモノを追求していって、それが世の中の主流になれば、トップと地位が引っくり返るのを狙う戦略である…三番目は「マーケットフォロワー」である…とりたてて強い特徴もないが目立った欠点も見当たらないという事業運営を行って、トップ企業とほぼ同等の製品を、より安い価格で提供するという戦略パターンである…四番目の「マーケットニッチャー」の採るべき戦略は…ニッチ分野に特化して、独自の強みを発揮するというパターンである。(p.54-58)

・バーニーは…「VRIO」という枠組みを提唱しているVRIOとは、企業が持つべき競争力の源泉になり得るリソースがどのようなものであるべきなのかについて、その要件を整理したフレームワークである。Vはバリュアブル…価値があること…Rはレア…希少なこと…Iはインイミタブル…模倣できないこと…Oはオーガナイズ…組織化されていること。(p.71)

・コッタ―のチェンジ・マネジメント理論…

①変革が緊急課題であるという危機感を醸成し、

②強力な推進チームを結成し、

③変革の方向性を示すビジョンを策定する。

④そのビジョンを全社員に強力に発信・定着させ、

⑤その実現をサポートするための手立てを打ち、

⑥短期で目に見える成果を達成して、

⑦その成果によって社員を一層守り立てて、

⑧更に新しいアプローチで次の段階に向かう。(p.86)

・開発、生産、マーケティング、流通と事業プロセスの全ての面で今までよりも圧倒的に良いやり方を考え、新しい価値を新しいビジネスモデルによって実現してこそ生き残りと発展が可能になるのだ。(p.132)

・これまでの常識的なパターンや確実に成功が見込まれるやり方から外れた全く新しいことをやってみないとイノベーションは生まれない。(p.137)

・...イノベーションの魂とも言うべき最も重要な鍵となるのは“アンビション(志、思い)”である。(p.150-151)

・「グローバル化」はどの地域にどの拠点を移し、どの市場を攻めるかという単なるエリア拡大のための事業戦略の問題ではなく、“異文化”の中でいかにビジネスのエコシステムを構築・運営するかという、マネジメントの問題なのである。(p.161)

・企業の文化や組織の行動スタイルというのは、その強み・弱みも含めて、すべてひとつながりのものなのだ。一部を変えたら、ほかの部分にも必ず影響が出る。一部だけを都合よく取り替えることはできない…(p.167)

グローバル化で最も大事なのは、単なるテクニックやスキルではなく、文化や行動スタイルなので、知らない土地に行ってその土地の人たちと交わったり友だちになったりするのが楽しいと思う人…に任せるのが最も合理的で成功の確率も上がるのだ。(p.173)

・適性を見きわめるためには…外へ出ていって、全く違う環境になじめるかどうか、異文化の人達と交わることを楽しめるかどうかという志向性と行動特性こそが最も重要なファクターなのである。(p.174)