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Mike's Blog

これまで読んできた本を引用を含めて紹介します。 Introducing books I have read including citation http://www.arsvi.com/w/km18.htm

山本七平『「空気」の研究』を読んで

 

「空気」の研究 (文春文庫 (306‐3))

「空気」の研究 (文春文庫 (306‐3))

 

 現在でもよく使われる「空気」。この正体を探る一冊。以下に重要と思われる箇所を引用します。

・…「空気」とは何であろうか。それは非常に強固でほぼ絶対的な支配力をもつ「判断の基準」であり、それに抵抗する者を異端として、「抗空気罪」で社会的に葬るほどの力をもつ超能力であることは明らかである…通常この基準は口にされない…われわれは常に、論理的判断の基準と、空気的判断の基準という、一種の二重基準のもとに生きているわけである…われわれが通常口にするのは論理的判断の基準だが、本当の決断の基本となっているのは、「空気が許さない」という空気的判断の基準である。(p.22)

・では一体この「空気」は、どのようにして醸成され、どのように作用し、作用が終ればどのようにして跡形もなく消えてしまうのであろう。これを探求する一つの手掛りは、だれかが、何らかの意図のもとに、ある種の「空気」を意識的に醸成した場合である…この「人工空気情勢法」を調べていけば、「自然発生的空気」の成立過程も少しはわかるであろうと思われる。(p.23)

・一体「空気」とは何か。これを調べるための最もよい方法は、単純な「空気発生状態」を調べ、まずその基本的図式を描いてみることであろう。(p.32)

・さて、ここで問題克服の要点は二つに要約されたと思われる。すなわち一つは、臨在感を歴史観的に把握しなおすこと、もう一つは、対立概念による対象把握の二つである。(p.52)

・少なくとも多数決原理で決定が行なわれる社会では、その決定の場における「空気の支配」は、まさに致命的になる…(p.76)

・では以上に共通する内容を一言でのべれば、それは何なのか。言うまでもなく、それは「虚構の世界」「虚構の中に真実を求める社会」であり、それが体制となった「虚構の支配機構」だということである。(p.161)