Mike's Blog

これまで読んできた本を引用を含めて紹介します。 Introducing books I have read including citation http://www.arsvi.com/w/km18.htm

西條剛央『チームの力――構造構成主義による”新”組織論』を読んで

 

チームの力: 構造構成主義による”新”組織論 (ちくま新書)
 

チームや組織を率いる方にオススメの一冊。以下に重要と思われる箇所を引用します。

 ・圧倒的な自然災害の前では、一人ひとりの人間の力はたとえようもなく小さい。しかしチームとなることで、大きな力を持つことができる。(p.17)
・…なぜ、まがりなりにもこのような大規模プロジェクトを運営できたのか。それを実現する鍵となったのが“構造構成主義”であった。(p.20)
・本書で論じるのは、あなたの目的に応じた“チーム”の作り方、つまり意志に応じて機能する“巨人”の作り方である。(p.22)
・現地で必要な人に配ってくれるキーパーソンと組み、ツイッターの拡散力、ホームページの制御力、宅配便という既存のインフラを活用することで、必要な物資を必要な分、必要としている人に直送できる仕組みを作った。さらにアマゾン…のウイッシュリストも活用し、クリック一つで…家電などを必要としている人に、世界中から支援できるようにした。(p.27)
・…できるだけ細分化して役割を引き受けてもらった…具体的な役割を与えられた方が…それぞれが責任をもって進めやすくなる…また、これは極めて重要なことだが、「縦割りの弊害」が起きないように、メンバーにはできるだけ複数のグループに入ってもらうようにした…山場を迎えたときに、そのプロジェクトのメインスタッフではない人でも状況を把握でき、助っ人としてスムーズに参加できる。状況の変化に合わせて、必要な箇所に人員を集中的に投入できるようにしたのだ…全体としてうまくいくという全体最適の視点を保てるようになる。(p.30-31)
・…ボランティアはやらないのが当たり前、少しでもやってくれる人には感謝しなければならない。それを忘れると組織は壊れてしまう…原動力は本人の気持ちしかない…ボランティアの人に動いてもらうには、メンバー自ら「やりたい」と思い、自発的に取り組んでもらうほかないのだ…日々、感謝を忘れないようにと心がける必要がある。(p.34)
・…チームや組織とは目的達成のために作られるものである以上、何をするにも、その目的が決定的に重要になるのだ。したがって、まずリーダーがやるべきことは…「目的」を明確にすることである。(p.45)
・リーダーに頼らない自律的なチーム作りに必要なことは、まずそのチームの目的を明確化し、それをメンバーに常に意識させ、それを基点にそれぞれが判断できるようにすることなのだ。(p.48)
・人間は何を言ったかよりも、何をしているかをみている。(p.52)
・…「理念」とは、組織が大切にする価値観を表明したものだ…価値観を同じくする多様な個性、能力を持つ人を集めること…チームを作る上での戦略的指標とすべきものなのだ…「理念」とは、組織が目指すべき方向性や足並みを揃えるための“組織のコンパス”というべきものである…「理念」とは…“組織の憲法”でもある…「ビジョン」とは、組織が目指すべき将来像を下書きした“スケッチ”...ビジョンには、(1)理念に近く組織が目指すべき大きな方向性として機能する“ビッグビジョン”と、(2)より具体的な“個別ビジョン”がある。(p.54-57)
・経験則や経験(エビデンス)の積み上げにより構築された「個別理論」は例外があるため、一般化することはできない。しかし、批判的吟味を通して“例外なくそのように言える”と確かめられた“原理”は…いつでもどこでも普遍的に洞察できる“視点”として活用することが可能になる…立場や流派や専門分野の壁すら超えて了解される深度を備えている。これが…構造構成主義に基づく組織行動論(本質行動学)の最大の意義と言ってよい。(p.63)
・…リーダーシップとは、チームを目的達成に導く力なのだ。(p.64)
・どういう状況で何をしたいのかを抜きに、どういうリーダーがよいリーダーか、あるいは、どういうリーダーシップがよいかを論じることは意味がないのだ。(p.68)
・なぜ長期間にわたり“よきリーダー”として統率できないのか。それはリーダーが状況の変化に合わせて自分の性格を変えられないからであり、また成功体験の呪縛により自分の道を離れる気になれないからなのだ…「己を知る」…自分自身を俯瞰して捉え、分析し、自分の癖や傾向、向き不向きなどを理解することだ。(p.70)
・一番効果的なのは、あらゆる意味で信頼できるメンターに相談したり、メンタリングセッションを受けたりすることだ。(p.74)
・「自分」はチームの目的を達成するための一つの要素である。「自分」にとらわれずに、メンバーや信頼できるチームメンバーをはじめとする「他者」を最大限活かせるようにすること。それが意思決定を間違えないための最も確実な方法なのである。(p.79)
・同じことを言っても、誰が言ったかによって意味は変わる。チームを作る際にも“基点”になるのは自分なのである。(p.86)
・誠実なチームを作りたいと願うならば、日々誠実に行動すればよいのである。それが結果として、誠実な仲間を集め、スタッフを育てることになり、誠実な企業文化を醸成し、消費者からも好感をもたれ、支持される組織になっていく…(p.92)
・…「方法の有効性は(1)状況と(2)目的に応じて決まる」という“方法の原理”は、いつでもどこでも例外なく妥当する。(p.107)
・失敗したから、撤退したからといって、すべてが無駄になるわけではない。それが無意味なものになるか、意味あるものになるかは、実はその後で決まる。(p.122)
・…“適材適所”の本質とは、さしあたり「関心と能力を踏まえながら、それに適合する仕事や役職を与えること」…(p.155)
・…「(1)移ろいゆく関心と(2)能力と課題のバランスいった二つのポイントを見定めながら業務内容を調整すること」、これが“適材適所の原理”なのである。(p.162)
・フロー状態は、
① チャレンジングだが達成する見込みがある明確な目標があり、
② それに能動的に取り組めていて、
③ 直接的な手応えやフィードバックがある、
という三つの条件が満たされたときに生じる。(p.175)
・大事なことは…やりたいことをやれる環境を具体的に整えること、仕事に集中できるフロー状態に入れる環境を整えることだ。そしてそのために、各自が自分のチームの状況を踏まえて、実効性のある方法を考えることが最も大事なことなのである。(p.182)