Mike's Blog

これまで読んできた本を引用を含めて紹介します。 Introducing books I have read including citation http://www.arsvi.com/w/km18.htm

小川三夫『棟梁――技を伝え、人を育てる』を読んで

 

棟梁―技を伝え、人を育てる (文春文庫)

棟梁―技を伝え、人を育てる (文春文庫)

 

 人材育成の金言が満載の一冊。以下に重要と思われる箇所を引用します。

・技も感覚も大工の考え方も、本人が身につけるものなのです。体に記憶させる、体で考える。このことを理解してもらうには、親方や師匠と一緒に暮らし、一緒に飯を食い、一緒に働くしかないと思っています。その手段には早道も近道も裏道もありません。(p.10)
・ものを覚える、技を手に入れる、感覚を身につける。それは遅々として進まない道ですが、ある時にぐいと階段を上がります。その階段を上がるとき、一つ上の何かをつかみ取るのです。それが自信になるのです。(p.12)
・弟子に言葉にできんことを覚えてもらうには、やってみさせるしかないな。(p.18)
・…修業はそうやってただただ浸りきることが大事なんだな。寝ても覚めても、そのことしか考えない時期を作ることや。そうやって暮らしていれば、頭も体も大工らしくなっていく。(p.33)
・生活の中で、しつけでも、挨拶でも、身につけるもんや。生活で身につけることは、相手を思いやることと、動きから無駄を省くことや。(p.34)
・ものを教わる、覚えるために一番大事なのは、素直なことや。(p.36)
・逃げたらあかん。逃げる前に考えるんやな。(p.39)
・言葉や本、学校では教われないものがたくさんある。それを忘れたらあかん。(p.42)
・図面というのは見ててもだめなんだ。図面は読むもんや。(p.81)
・「掃除をさせたらその人の仕事に向かう姿勢、性格がわかる」「飯を作らせたらその人の段取りの良さ、思いやりがわかる」…(p.87)
・本当のやさしさとは、自分自身に厳しく生きてないと身につかんもんや。(p.90)
・技は、長い鍛錬と自己規制の後に身体に形成されるものや。結局は誰も教えてはくれない。自分で自分を「育てる」ということや。(p.93)
・どんな仕事だってやってみれば、どこかにおもしろさがある。(p.118)
・「不器用の一心に勝る名人はない」…(p.127)
・一生懸命に勝る職人技なんてない。(p.132)
・ほんとうを覚えるのには時間がかかる。時間はかかるが一旦身についたら、体が今度は嘘を嫌う。(p.136)
・できる最高のことをする。それが基本や。(p.141)
・未熟なうちに任せなくちゃだめなんだ。(p.187)
・責任というのは失敗したときにわかるんだ。(p.189)
・大工はまず行動を起こすことだ。(p.192)
・形は不揃いでもいい。それをどう使うかで、うまく使いさえすれば、丈夫な建物になる。(p.198)