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Mike's Blog

これまで読んできた本を引用を含めて紹介します。 Introducing books I have read including citation http://www.arsvi.com/w/km18.htm

村上信夫『帝国ホテル厨房物語――私の履歴書』を読んで

 

帝国ホテル厨房物語―私の履歴書

帝国ホテル厨房物語―私の履歴書

 

 シェフを目指されている方におすすめの一冊。以下に重要と思われる箇所を引用します。

・道が開けるきっかけは、鍋磨きだった。鍋の内側をきれいにしておくのは料理人の基本的な心得の一つだが、時間を惜しんで外側はあまり磨かないから、料理の染みが頑固にこびりついている。私は、休憩時間に磨き始めた…二カ月ほどかけて、各部署にある二百ぐらいの鍋をきれいにした。(p.55)
・帝国ホテルでは当時、二百種類くらいのソースを作っていたが、一つ一つ味を覚え、自分なりに素材の分量を割り出して、ちびた鉛筆で隠し持っていた帳面にひそかに書き込み、下宿に帰って整理して、メモをため込んでいった。(p.56)
・不承不承やる人間よりも、無理にでも笑顔を作って一生懸命やる人間を評価する。(p.94)
・「急ぐな。急ぐと味が逃げていく」…どんな料理でもじっくりと、うまみを閉じこめる工夫が大事なのだ。(p.125)
・「味を逃がさず、閉じ込めろ」…味を逃がさず、閉じ込めるには素材の吟味が大切だ…そして味つけ。(p.126)
・質のいい素材が足りなければ、知恵を出して工夫する…(p.138)
・…メダルを取る選手の食べ物の選び方は上手だった…肉、魚、野菜とバランス良く食べている。(p.155)
・どんなことでも十分に準備しておけば混乱しないで、お客様に喜んでいただけることも分かった。事前の用意や段取りがとても大事なのだと、身にしみて感じた。私はそれから、「段取り八分」が口癖のようになった。事前に用意しておけば、八割方は成功という意味で、たとえ小さな仕事でも、周到な準備が何より大切ということを強調している。(p.159-160)
・…何よりも大切なのは、人の心をよく読んで、気持ち良く働いてもらうことだ…同じ命令でも、喜んでやる気になる命じ方というものはある。(p.168)
・料理の蘊蓄はもちろん、知識や教養、そして当意即妙の話術も、シェフたる者の必須条件なのだ。(p.176)
・真心を込めて料理を作り、お客様にお出しする。(p.187)
・叱るのではなく良い所をほめるのが、私の若手育成法の基本になっている…私が厨房で怒らないのには、もう一つ理由がある。味付けに影響するからだ…怒ったときは塩味がきつくなる。(p.206)
・流行ばかりを追いかけていると、流行に左右されない真髄を見落としてしまいがちだ。うまい料理は結局、時代やはやりすたりを超えて生き残る。(p.207)
・料理の極意は「愛情、工夫、真心」(p.209)