Mike's Blog

これまで読んできた本を引用を含めて紹介します。 Introducing books I have read including citation http://www.arsvi.com/w/km18.htm

佐藤成美『ビジュアル図解 科研費のしくみと獲得法がわかる――応募の方法から、申請書の書き方・仕上げ方まで』を読んで

 

 科研費に応募しようと考えておられる若手研究者の方におすすめの一冊。以下に重要と思われる箇所の一部を引用します。

・よい研究を行うためには、「研究倫理、コンプライアンス、安全対策」が三大原則です。(p.45)
・研究の不正行為(ミスコンダクト)は、データの捏造(Fabrication)、偽造(Falsification)、盗用(Plagiarism)をいいます。これらを合わせてFFPと呼びます。(p.47)
・…研究費は、種類によって使用ルールが違います…事前にきちんとそれぞれの研究費の使用ルールを理解しておくことが大切です。(p.49)
・審査員はまず研究目的の概要を読み、その先は読むかどうかはそれ次第と聞き、とにかく概要をよんでもらえるようにと内容を練りました…概要から目的へ、目的から計画へと文章をリンクさせ、計画調書の全部の項目がつながるようにしました。全体の書類をみやすくなす…レイアウトや図を工夫…(p.52-53)
・競争的資金に応募するためには、まず内閣府ウェブサイトに公開されている最新の「競争的資金一覧」をよく見て、どんな目的の研究資金があるのか、研究費や研究期間はどれくらいかなどの情報を集めます…科研費では、自分の研究が補助対象の研究分野のどれにあてはまるかを普段から意識しておくことが重要です。(p.66)
・第一に心がけていることは、文章をわかりやすくすることです…それからストーリー性を大事にします。まず疑問から始まり、研究の背景、つまり何がどこまで明らかになっているかを示し、そこから思いつくことを述べる。そして、研究をすればどこまで明らかになるのか、わからないところは次の展開にどうつながるのかを1つのストーリーにします。(p.68)
・あなたが書いた申請書の文章は、あなたの研究を明確にイメージさせることができるでしょうか。文章を読みながら、頭の中に研究のストーリーが明確に映像として浮かんでこなければ、たとえなどを使って、イメージしやすくしてみます。(p.70)
科研費の審査や評価については、科研費ウェブサイトで公開されています。審査委員用の「審査の手引き」を見れば評価の基準が、「審査の総括」を見ればその年の応募や選考の状況がそれぞれわかります。(p.85)
・自分にふさわしい研究種目を選ぶこと。研究計画調書では、新規性、独創性をふまえ、「この研究の目的がしっかりしているか」、「業績が十分にあるか」を重視します(p.94)
・何がポイントなのかをわかりやすくするために、長い文章は避け、箇条書きを取り入れたり、文字を強調したりしました。(p.115)
・研究計画調書は、報告書や論文ではありません。審査員という読み手がいることを意識して作成します。大切なのは、誰に何をいいたいのかを明確にし、自分の研究計画を的確に伝えることなのです…何度も読み直し、誤りはないか、おかしいところはないかチェックします。また、人に読んでもらい、少しでも読みやすくなるよう工夫しましょう。(p.150-151)
・書類をちゃんと読んでもらいたいなら、タイトルはわかりやすく、興味をひくようなものにすることです…審査員の立場になって、1回で読んで、理解できるように書くことが必要です。(p.159)
・…読み手である審査員はどういうレベルの知識があって、何を求めているのか、そのためにはどう伝えればいいのかをよく考えることが必要です。(p.186)
・この書類の目的は…「私にお金をあげたら、こんなにすごいことをやってくれそうだ」と審査員に思わせることです…わかりやすい文章にするためには、余計なことを書かないようにします…伝えたいことを一言で説明します。そのことで大風呂敷を広げる、つまり多少大げさになっても、そのほうが言いたいことが伝わります。(p.186-187)