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Mike's Blog

これまで読んできた本を引用を含めて紹介します。 Introducing books I have read including citation http://www.arsvi.com/w/km18.htm

宮田由紀夫『米国キャンパス「拝金」報告――これは日本のモデルなのか?』を読んで

 

米国キャンパス「拝金」報告 - これは日本のモデルなのか? (中公新書ラクレ)

米国キャンパス「拝金」報告 - これは日本のモデルなのか? (中公新書ラクレ)

 

 大学に興味をお持ちの方におすすめの一冊。以下に心に響いた箇所を引用します。

・高等教育への公的支援には、二つの方法が考えられる。ひとつが公立大学を作る、もしくは大学に補助金を出すことによって、授業料を抑制し大学へ進学し易くする方法である。もうひとつは学生個人に奨学金を与える方法である。(p.31)
・私立研究大学の大きな収入源は資産・寄付であるが、資産は元本を取り崩さず利回り収入である。州立研究大学は地方政府からの補助金とグラント(研究費)に大きく依存している…私立研究大学は授業料は高いが学生数がそれほど多くないので、授業料収入の比率は州立研究大学とそれほど変わらない。私立研究大学は豊富な資産収入があるので、授業料に頼る必要はなく、寛大に奨学金を支払うことができる。(p.40)
・私立は授業料を高くすることで、提供する教育の質も高いというシグナルを送っている。したがって、授業料は値下げしないのだが、大学自らが奨学金を支給することで優秀な学生を引き付けている。優秀な学生が多ければ、入学時のSATのスコアや高校時代の成績が高くなり、大学ランキングも有利になり、次の年にさらに優秀な学生を集めることができる。(p.118)
・大学はテニュアそのものを廃止はしないが、テニュアになる教員の数を抑制している。すなわち、パートタイム教員や、フルタイムであっても初めからテニュア審査の対象にならない非テニュアトラック教員での採用が増えている。(p.168)
・世界中から優秀な留学生を集めてくることは、アメリカにとってメリットがある。そこまでの教育費用を留学生の母国が負担してくれるからである。(p.185)