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Mike's Blog

これまで読んできた本を引用を含めて紹介します。 Introducing books I have read including citation http://www.arsvi.com/w/km18.htm

児島将康『科研費獲得の方法とコツ』を読んで

 

科研費獲得の方法とコツ

科研費獲得の方法とコツ

 

 外部資金の獲得を目指されている研究者の方におすすめの一冊。以下に重要と思われる箇所を引用します。

・科学研究費補助金科研費)とは「人文・社会科学から自然科学まで全ての分野にわたり、基礎から応用までのあらゆる「学術研究」(大学等の研究者の自由な発想に基づく研究)を対象とした唯一の「競争的資金」」…である…科研費の一番の特徴は「研究者の自由な発想」による研究をサポートする国からの唯一の研究費であることだ。…まず研究者の思いがあって、それが審査によって認められて研究費がもらえる。いわゆる「ボトムアップ型」の研究である。(p.10)

科研費では応募分野が細かく分類されているので、申請する内容に適した応募分野が必ずある…応募分野の選択は科研費が採択されるかどうかに重要なので、どのような応募分野があって、その分野が対象としている研究内容は何か、よく調べておく必要がある…応募分野の細目名とキーワードを手がかりに、自分の申請内容に最も適した応募先はどこなのか検討できる。(p.16-17)

科研費の審査には第1段審査と第2段審査がある。第1段審査は書面審査で、第2段審査が審査委員の合議による審査だ。研究計画1件あたり4人または6人の審査委員によって評価される…重要なことは第1段審査において5段階で点数が付く「総合評点」が、第2段審査における評価(つまり採択)に大きな意味をもつということだ。(p.18-19)

・第2段審査では審査委員が…第1段審査の点数を基に議論しながら採択を決める。まず、第1段審査における「総合評点」の統計処理後の合計点数が、採択予定件数内の上位8割くらいまでに含まれる申請課題はそのまま採択される。そして残る1~2割分をボーダーライン上の申請課題から、話し合って採択するものを決定する…ほとんど第1段審査の結果がそのまま反映される…逆転があるのは、審査委員によって極端に点数の偏りのある場合…(p.21)


日本学術振興会科学研究費補助金 http://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/index.html
日本学術振興会のホームページには科研費に関する膨大な資料がある。科研費申請のための説明書から、申請用紙、申請状況、採択課題に関するデータ、審査委員の名簿、などなど。これらは科研費に関する基礎資料として、一度はみておいた方がよいし、申請書作成において非常にためになる。

●KAKEN 科学研究費補助金データベースhttps://kaken.nii.ac.jp/
国立情報学研究所がオープンにしている科研費採択研究課題のデータベース。検索機能も充実していて、誰がどんな研究課題で採択されているのか、たちどころに知ることができる。(p.34)

・実物の科研費申請書が、なんといっても一番役に立つ資料だ…採択された申請書もためになるが、採択されなかった申請書もすごく役に立つ。何が悪いのか、自分のことはなかなかわからないものだが、他人のことはよくわかるものだ。(p.35)

科研費の申請書を一生懸命に書いたら、それを利用して他の省庁や民間の研究助成に応募することも考えよう。応募の書式はそれぞれの研究費によって異なるが、基本的な科研費の申請書を作成しておけば、問題なく転用できる。[2010:36]


●公益財団法人 助成財団センター http://www.jfc.or.jp/
このホームページには個々の助成団体の情報だけでなく、毎月の募集ニュースがあって便利だ。またセンターからは「研究者のための助成金応募ガイド」という本が毎年出版されていて、サイト内にはこの本から5年分の「助成金応募の手引き」の部分が掲載されている。ここには申請書の書き方のヒントが満載されてあってすごく参考になる。(p.38)

・応募種目の選択とともに、応募分野の選択は非常に重要だ。ここの選択を誤ると、採択されるべきものも採択されない。申請書の研究内容にふさわしく、正確に審査してくれる領域に応募すること。自分の所属学会の領域、所属講座の分野に出さないといけないということはない…注意すべきことは、応募する研究内容に対して、いくつか異なる応募分野の候補があることだ…そのために次の項目をチェックしておくのがよい。
①応募しようとする分野で、採択されている研究課題…
②応募しようとする分野の審査委員(p.42-43)

・応募分野は、分野→分科→細目と分かれている。細目ごとの応募件数と採択件数が公開されている…この一覧表をみていくと、応募件数と採択件数は細目ごとにかなり違っていることがわかる。しかし重要なのは、採択率はどの細目においてもほぼ一定であるということだ。科研費の分野別採択件数は、分野ごとの応募件数にほぼ比例して決まってくる。そのため科研費の分野別の採択件数は、必ずしもその分野の重要性…によるのではない。(p.43-44)

・どのような研究課題が採択されているのかを知ることは、その分野の採択傾向を探るとともに、ライバルの動向を探るのに必要だ。応募しようとする分では、誰のどんな研究課題が採択されているのか、他の研究者の課題名を調べることは非常に勉強になる。また知り合いが採択されていれば、頼んで採択課題の申請書を見せてもらうこともできる。採択課題の調査で、最も便利なのが国立情報学研究所の科学研究費補助金データベース…だ。(p.46)

・その年の審査委員が誰なのかを知る方法はない。審査委員の名前は審査終了の2年後に公表されている…6~7年分の審査委員が公表されているので大いに参考になる。(p.48-49)

・研究は1人ですべてできることが理想的だが、現在ではそれはほとんど不可能で、共同研究者が不可欠である。他の研究者をメンバーに加えるには、きちんとした理由が必要だ。それは研究計画の一部において、その研究者がもっているテクニックやメソッドが不可欠な場合だ。(p.50)

・申請書に記載する研究者のうち、研究分担者は分担金あり、連携研究者は分担金なし、である…研究協力者は科研費の応募資格をもたない者がなる。また研究代表者が研究計画を遂行できなくなった場合、研究分担者だけが交替して研究代表者になれる…日本学術振興会の特別研究員は研究協力者になる。(p.50)

科研費の申請書は誰のために書くのか?まず、これをしっかりと認識しておく必要がある…申請書は少数の審査委員のために書くものである。申請書を作成するときに忘れてはいけない重要なことは、科研費の申請書はあくまでも4~6名の審査委員に理解してもらうために書くものだということ…限られた人数の専門家に向けて書くものであることをお忘れなく。(p.58)

・…科研費の場合は申請書の内容から相応しい審査委員を選ぶのではない。審査委員がまず決定されて、そこに申請書が送られてくる。審査委員は審査分野の専門家といっても、必ずしもその分野のすべての範囲に詳しいとは限らない…科研費の審査では1ヵ月の間に100課題くらいの申請書をこなさなければならず、1つの申請書をチェックする時間は非常に限られる。こういったことから、科研費の申請書は学術論文よりも、もっとわかりやすく書くことが必要になる。審査委員は応募する分野の専門家であるが、他分野の審査委員よりもその分野に少し詳しいくらいに考えて、内容を検討しなければならない。申請書はわかりやすく書くこと。ともかくこれに尽きる。審査委員はこの申請内容については予備知識もなにもなく、まったく知らないと思うこと…私が考える「わかりやすく」のレベルは次の通りである。
①申請しようとしている分野と異なる分野の人にもわかる。…
ポスドクはいうまでもなく、大学院生でも読んでわかる
③恥ずかしいくらいにわかりやすい文章でもよい
④自分で易しく書きすぎた、というくらいがちょうどよい(p.59-60)

・課題名をつけるにあたっての注意点…
●課題名を読むだけで、研究計画がわかるようなものにする
課題名は申請書全体を代表するものだから、必ず研究計画を表現するものであること…
●課題名は簡潔で短いものでも、逆に長いもので印象的なものでもよい…
●専門的・マニアックな語句は避けて、一般的なキーワードを使う…
●その他、課題名を考えるときのアイデア
①サブタイトルをつける
コロン「:」、あるいはダッシュ「―」で区切ってサブタイトルを書く…
⑤採択された課題名を見る(p.62-63)

・審査委員は申請者の名前と課題名をみると、まずこの研究の概要の部分から読み始めることが多いだろう。科研費が採択されるかどうか、まずはこの概要の部分の出来によってかなり左右される。最初の部分で、何を研究するのかを審査委員に十分に理解させ、その後の部分を読んでもらえるようにしなければならない。そのためには、冒頭の概要の部分を丁寧に書く必要がある。この部分に全体の構想や研究内容のサマリーを簡潔に書いておくと、その後に書いていく内容を審査委員に理解してもらいやすい…研究計画の概要も多く書きすぎないことだ…多くても10行以内にとどめるべきだ…概要において「研究の全体構想」と「本研究の具体的な目的」にはっきりと分けて記載するのもよい方法だ…また具体的な研究項目などを箇条書きにすることは、読みやすいし、内容も理解しやすいのでお勧めする…(p.65-66)

・研究目的の中心は「②研究期間内に何をどこまで明らかにしようとするのか」であり、この部分こそが申請者の研究計画そのものである。したがって、審査委員が、最も理解しやすいように、ときには記載項目の順番を考えて書くのもよい。(p.68)

・学術的背景の書き方のポイント
●研究対象についてのこれまでの研究経過を書く
●どういったことが現在わかっていて、そのうえで、何が未解決なのかを示す
●この研究分野において申請者がこれまでにどんな研究を行ってきたのかをはっきり示す
●関連の発表論文があれば文中に記入する(p.70)

・何を解明するのか書き方のポイント
●申請する計画の具体的な研究内容を記載すること
●何の目的で本研究を行うのかをはっきりと書く
●それによって、どのようなことが明らかになるのかをはっきりと示す(p.73)

・研究目的欄の注意事項…
①ぎっしりとたくさん書く必要はないが、最低1ページ半は書いて欲しい…
②研究目的をわかりやすく書くこと…
③図を使って視覚的に
…次の点には気をつけよう…
●一目で理解できる簡単な図にすること
●他人の論文や総説からとってきた図は使わないほうがよい。あくまでオリジナルで
●図には内容を示す簡潔な説明文をつける(p.78-79)

・研究目的欄の書き方のポイント
●研究目的(どのような研究を行って、何を明らかにするのか?)をはっきり書く
●冒頭の研究の概要はわかりやすく書く
●申請者のこれまでの研究成果をアピールする
●予備的なデータを示して研究計画を説得力のあるものにする
●図を入れることでわかりやすくする(p.80)

・大切なのは、各サブテーマで、どんな目的でその実験を行うのかをしっかりと書いておくことだ。その後で、各実験項目の細部を書いていくのがよい。実験の目的を明確に書いておかないと、具体的な実験内容も理解してもらえない。そのため、これまでの研究成果や予備的な実験結果を書いて、「このような点がわかっていないので、それを明らかにするために、次のような実験を考えた」とすると、非常にわかりやすい。そして実験の詳細を書いて、最後に「この実験によって、このようなこと(具体的に)が明らかになる」とすれば、非常に理解しやすい…(p.85)

・研究計画・方法欄の書き方のポイント
●冒頭にもう一度、研究目的を簡単に書いておいてから、研究計画・方法の概要を書く
●年度毎にサブテーマを分けて、さらにいくつかの小項目に分けて記載する
●実験項目では、何の目的でその実験をやるのかをまず書いて、いきなり具体的な研究手法を書かない
●計画した実験で何が明らかになるのかを予想して書く
●実験計画の内容は具体的に書く。具体的にどういった手段で「調べ」「測定する」のかを記載する(p.90)

・研究業績、特に発表論文はすごく重要…研究業績は申請者が提案している研究計画が実行可能かどうか、これまでの研究結果をもとに判断するための材料になるからだ…だから発表論文があることは採択のための必須事項である…常日頃から少しでも多く研究業績をあげておく必要がある。(p.92)

・人権保護・法令欄のポイント
必要ならば学内・研究所内の倫理委員会…などの承認を得るために、申請を忘れないこと(p.102)

・エフォート欄の注意事項
… ①年間の全仕事時間を100%とした場合に、申請した研究に必要となる時間の配分率(%)を書く
②応募中の研究費も全部記入する
科研費以外の、独立行政法からの研究費や民間からの研究費も記入する
③受け入れ予定の研究費も記入する…
④分担研究者として研究費を配分されているものも記入する
⑤「(3)その他の活動」は大学の講義などが対象である
研究活動以外のものの大学からの、いわゆる教室研究費もここに含まれる。(p.108)

・フォントの種類によって申請書の感じはがらりと変わる…私はゴシック体を勧める。ゴシック体の方が、文字がはっきりして見やすく、また力強い印象を与えるからだ…重要なことは印刷したときに文字がかすれてしまうくらいの、あまり細いフォントは使わないことだ…また、基本的なこととして、フォントの大きさをあまり小さくしないように。11ポイントぐらいがちょうどよい。最小でも10.5ポイントぐらいか。(p.110)

・文章の周囲に適度な余白を設けること。枠内にぎっしりと書いていると、審査委員はそれだけで、げんなりしてしまう。また行間にも注意しよう。行と行の間が詰まっているときは、行間を少し広げよう。またところどころ、空白の行を適宜入れると見やすくなる…余白がなく、ぎっしりと書いた申請書が意外に多く、これらは非常に読みにくい。(p.113)

・箇条書きにすることは…要点がまとまって、ぐっと読みやすくなる。研究目的などを箇条書きにすると非常によい…また、小見出しをつけて読みやすくする工夫もある…小見出しはその部分の要約になるからだ。1つの段落でページの半分以上の長いものになるときには、小見出しをつけて文章を半分に分ける方がよい。その方が審査委員には読みやすい。(p.113)

・…強調文字を混在させることは避けた方がよい…使うならどれか一種類にすべきだ…原則として強調文字や強調する文章は1ページに多くても2~3カ所以内だ。また、ここぞという本当に強調すべき要点の部分のみに使うべきだ。(p.116)

・ひらがな、カタカナ、漢字、英語の割合を適切にすること。(p.117-118)

・図の注意点…
①簡単な図
1枚の図やイラストだけで十分理解できるように、簡単な図にすること…
②オリジナルな図
…あくまでオリジナルな図やイラストを使うこと。自分の論文の図を使うときにも、そのまま使うのではなく、英語を日本語に直す、重要な部分だけを使って、必要のない部分をカットするなど工夫すること。
③文章を補助する
図やイラストで示す内容は、予備データや研究計画の概要、研究者の役割分担などにする。
④印刷を想定する
印刷したときに鮮明でない図は使わないこと。カラーの図はモノクロのものよりよい。ただし薄めの色を使うこと。現在、基盤研究(S)、基盤研究(A)、基盤研究(B)の審査用の印刷した申請書はカラー印刷だが、基盤研究(C)や若手研究(B)ではモノクロ印刷だ。(p.118-121)

・作成し終わった申請書はWordファイルでそのまま電子申請できるが、PDFファイルに変換したものでも申請できる。後者の利点は、アップロードするときにフォントなどの置換がなく、自分でイメージしたままのものが審査委員の手元に届くことだ。Wordファイルでアップロードした場合、Web上でPDFファイルに変換されるので、フォントが変化してしまうことがある。(p.122)

・チェックするポイント
●必ず印刷した申請書をチェックする
チェックするときにはパソコンの画面を見るのではなく、紙にプリントアウトしてチェックする方がよい。審査委員は印刷されたものをチェックするのだから、印刷して全体の出来具合を見るのがよい…審査委員の気持ちになって、第一印象はどうだろうか。審査委員にも読む気を起こさせるだろうか?などの観点から読み返そう。この段階でも同僚やラボメンバーに見てもらって意見を聞くのはよいことだ。
●誤字・脱字に注意
誤字・脱字は案外と気づかないことが多い…できるだけ他の人に読んでもらって誤字・脱字をチェックするのが一番よい。
●PDFファイルに変換されたときのズレに注意
申請書は最終的にPDFファイルに変換されている…図とかスペースの配置はちゃんとなっているだろうか?PDFに変更したときにずれることがあるので気をつけよう。(p.130)

・もし、採択されなかったら…
●採択されなかった原因を考えよう
何が悪かったのか分析しよう。日本学術振興会のホームページから、応募分野の状況を調べよう。応募したのは競争の激しい分野だっただろうか?また「科学研究費補助金データベース」から採択課題を調べて、その分野では誰がどのような課題で採択されているのか、よく研究しよう。同じ申請分野で採択された人は間違いなくこの先もライバルになる。また、採択された人、あるいはラボのメンバーにもう一度申請書を見てもらって、意見を聞くのは非常に有効だ。
●審査結果から自分の申請が採択圏内までどのくらいなのか知ろう
…同じ分野で採択された課題を調べて、自分が採択圏内までどのくらいなのか判断しよう。
●それでも来年度も必ず出そう
業績のない人はできるだけ論文発表しよう…私個人の経験からいうと、不採択になった理由はずばり、業績がないか、申請書の内容を十分に理解されなかったか、のどちらかだ。業績もあって、申請書の内容もよく書けている自信があるなら、一度、応募分野を再検討してみてはどうだろう?…応募した分野のレベルはどうだっただろうか?最適な応募分野だったのだろうか?(p.140-142)

・…これまでの経験から、科研費に採択されるための最良の方法は、「書き上げた申請書を誰かに見せて添削してもらうこと」だと思う…とにかく他の人に見てもらって意見を聞いて、書き直す。その繰り返しが最も有効な方法だと思う。さらに、科研費に採択されるためには申請への心構えが重要だと強調しておきたい…科研費を申請するときに、なぜ科研費を出すのか、何のためにこの研究を行うのか、なぜ今自分がやっている研究が重要なのか、などを考えてみるのは非常に重要だ。科研費を絶対に取るという強いモチベーションがあってこそ、初めていい申請書ができるのだ。ここで私が考える科研費申請のための心構えをあげておこう。
科研費は応募する人の研究に対する夢を語るものである。張り切って大きな夢を語ろう!
②とにかく申請書を出すこと。まず出さないことには、なにも始まらない…出し続けていると、いつか必ず採択される…ともかく科研費を獲得して晴れて一人前の研究者になれる。だから、何度不採択になろうが強い意志をもって、科研費に応募し続けることが大切だ。
③そして科研費に採択されたら、今度は積極的に他の人の申請書を手伝ってあげよう。そうするとその人は、次の自分の申請のときに申請書をチェックして意見を述べてくれる頼もしい仲間になる。(p.142)

・普段から準備として行うべきことは、いくつもある。
①なんといっても日々の研究活動、特に論文発表
…日々の研究活動を行い、論文を発表すること。これに優る準備はない。…もちろん若手研究者にとっては筆頭著者の論文が一番望ましいが、2番目以降でも、何番目でもいい。ともかく自分の名前が入った最新の発表論文が欲しい。
②申請内容のアイデア
申請内容に関するアイデアを常日頃から書き留めておこう…どんなアイデアでもよいから、思いついたらメモしておこう。文字や絵として、目に見える形で記録しておくことが非常に重要だ…
③資料の収集
普段から科研費申請に関する資料を集めておこう。日本学術振興会文部科学省から発表されるその年度の科研費採択が決定した後のデータには目を通しておこう。採択率はどうだったか、応募分野の状況はどうか、どんな研究課題が採択されているか、できるだけデータを集めて対策を練ろう。周囲に採択された人がいたら、お願いして申請書をコピーさせてもらっておこう。また学内からの申請書も可能なら見せてもらおう。実物の申請書は、採択・不採択にかかわらず非常に参考になる。
④不採択だった申請内容のチェック
不採択に終わった申請書について、いろんな人の意見を聞こう。自分でも後でもう一度見直してみると、まずい点がいろいろとわかるものだ。
⑤仲間作り
…来年度の申請のときには互いの申請書をチェックできるようなグループを築いておこう。特に若手研究者の間でこのようなグループを作ることは非常によい。遠慮なく意見を言い合って、お互いにチェックしあうと必ずよいものができるはずだ。
⑥そしてもちろん、よい研究を行うこと
…ともかく準備を怠りなく、時間をかければかけるほどよいものができる。申請が始まってからアイデアを練っても、所詮内容は薄く、常日頃から温めていたアイデアには及ばないものだ。(p.143-144)

・何度も使える科研費申請To Do & Checkリスト
4ヵ月前 公募開始前
To Do リスト
□研究者番号を取得する…
□e-Radに登録する…
3ヵ月前 戦略を立てる
To Do リスト
□全体構想を練る…
□共同研究者を決める・声をかける…
□応募種目を決める…
□応募分野を選ぶ…
□採択されている課題を調べる…
□審査委員を確認する…
2ヵ月前 公募開始
To Do リスト
□公募要領を入手する…
□最新の申請書を入手する…
□申請書の書式について一読する
□応募年度の変更点について確認する
1~2ヵ月前 申請書を書く
To Do リスト
□学内締め切りの確認
□学外締め切りの確認
Check リスト
(研究者情報)
□研究者番号や所属に間違いはないか?
□研究経費は本文中のそれと同じ金額・費目になっているか?
(研究課題名)
□研究内容を的確に表す研究課題名か?
□専門的すぎる用語を使用していないか?
(研究目的)
□冒頭の研究の概要は簡潔でわかりやすいか?
□研究目的は具体的か?
小見出しや箇条書きなどを使って、読みやすく工夫しているか?
□予備的なデータを示しているか?
□これまでの申請者の研究をアピールしているか?
□図はオリジナルで理解しやすいか?
(研究計画・方法)
□冒頭に研究計画・方法の概要を簡潔に書いているか?
□申請年度と、次年度以降に分けて、研究計画を記載しているか?
□何の目的でその実験をやるのかを書いているか?
□実験計画は具体的か?
□研究分担者との研究体制を書いているか?
小見出しや箇条書きなどを使って、読みやすく工夫しているか?
□図はオリジナルで理解しやすいか?
(今回の研究計画で実地するにあたっての準備状況等)
□研究計画の準備状況はどうか、研究施設や設備が研究を行うのに整っているかを記載しているか?
(研究業績)
□現在から過去にさかのぼって記載しているか?
□研究代表者に二重下線、研究分担者に一重下線、連携研究者に点線下線を引いているか?
□査読の有無を記載しているか?
□通し番号を付けているか?
□研究代表者の業績が一番多いか?
(研究経費)
□研究計画と研究期間に見合った経費の額か?
□1つの経費項目に偏った申請をしていないか?
(これまでに受けた研究費とその成果等)
□研究分担者が受けた研究費も記載されているか?
(人権保護及び法令等の遵守への対応)
□研究計画に必要な、所属機関の倫理委員会…などの承認を受けているか?
(研究経費の妥当性・必要性、および研究費の明細)
□1つの費目が全体の90%を超える場合はきちんとした説明を書いているか?
□研究分担者への配分額は適切か?
(エフォート)
□エフォートの合計は100%を超えていないか?
1~0.5ヵ月前 申請書を仕上げる
To Do リスト
□申請書にコピー・ペーストする
□読みやすいように形式を整える…
Check リスト
□応募年度用の最新の申請書を使っているか?
□重複申請になっていないか?
□申請する種目を検討したか?
□申請分野は申請内容に合っているか?
□文字の大きさは適当か?
□文字は枠内に収まっているか?
□枠内の左右や行間に適当な余白があって、読みやすいか?
□誤字・脱字はないか?
□誰かにみてもらったか?
1~0.5ヵ月前 申請書を提出する
To Do リスト
□作成した申請書ファイルを用意する
□研究分担者や連携研究者の情報を確認する
□e-Radから申請する…
□ダウンロードした申請書で最終チェックする
申請
申請が終わったら
To Do リスト
(日頃から)…
□日々の研究活動、特に論文発表に勤しむ
□申請内容のアイデアを練る
□資料を収集する
□仲間作りに励む
採択                      不採択
To Do リスト                 To Do リスト
□交付申請書を提出            □申請内容を反省する
補助金受け入れの書類を提出     □採択圏内までどのくらいか確認する
□科学研究費補助金の使用にあたっ
  ての確認書を提出
(p.175-178)