Mike's Blog

これまで読んできた本を引用を含めて紹介します。 Introducing books I have read including citation http://www.arsvi.com/w/km18.htm

佐渡島紗織・吉野亜矢子『これから研究を書くひとのためのガイドブック――ライティングの挑戦15週間』を読んで

 

これから研究を書くひとのためのガイドブック ライティングの挑戦15週間

これから研究を書くひとのためのガイドブック ライティングの挑戦15週間

 

 人文社会科学系の学生におすすめの一冊。以下に重要と思われる箇所を引用します。

・学術的文章の性質を大きく三つに分けると次のようにまとめられるでしょう。
1. 分かりやすい文章である…
2. 思考が整理された文章である…
3. 科学的な文章である(p.11-12)
・…「一文一義」で書くと、読者にとって分かりやすい文章になります。(p.15)
・指示代名詞をできるだけ使わないように心がけましょう。学術的な文章では、少々くどくなったとしても同じ概念を何回繰り返して使っても構いません。(p.21)
・…パラグラフは、一つの中心文(トピック・センテンス)をサポートする文(情報)の塊です…一つのパラグラフで一つの情報だけを扱います。パラグラフの頭に、そのパラグラフの目的が明らかになるような中心文を書いた後、その他の情報を入れて一つの情報の塊を作ります。(p.33)
・学術論文では主張を凝縮した一文は「規定文」とも呼ばれ、論文の内容を規定する、最も大切な背骨となります。「この論文では何が言いたいのですか」と尋ねられて、一文で答えられないようでしたら、論文そのものに何か問題があるのかもしれません。(p.36)

① これから<何を論じるのか>を予告し、
② <いくつか論点を挙げるのか>を明示した上で、
③ <一つ一つの論点>を記述すると
読者にとって分かり易い文章になります。(p.45)
・引用は次のような場面でなされると考えられます。
① 自分の主張を支持する意見として出す。自分の主張を強化する。
② 自分の主張と反対の意見として出す。引用内容を打ち消すことによって自分の主張を強化する。
③ 自分が述べていることの具体例を出す。
④ 自分が示した具体例を一般化するもの(解説するもの)として出す。
⑤ これまで述べてきた視点とは別の視点を提供するものとして出す。
⑥ 論点を分析する観点を出すために提示する。(p.74)
・一般に、次のような場合にはブロック引用の方が有効です。
① 文献研究(資料だけを分析して結果を出そうとする研究)で、一次資料…について言及するときは、ブロック引用がよいでしょう。実証研究(自分が何らかの体験をしてデータを集めることからはじめる研究)で、インタビューや実際に聞いた会話について言及するときも、ブロック引用した方がよいでしょう。
② 相手の論に反論するときには、ブロック引用する方が説得力がありますね。
③ 語られ方が特殊な意味を持つときも、ブロック引用して読者にその語られ方を見せる必要があります。(p.86)
・学術的文章における客観性は、できる限り知識の出所をはっきりさせるという態度によって守られるのです。(p.98)
・…いくつか論理構成確認のテクニックがあります。
① 友人に読んでもらう…
② 自分で音読する…
③ 提出日より早く書き上げ、「寝かせる」。(p.111-112)
・学術論文は、「先行する研究を踏まえた新しい発見」を「書いて公に発表した」ものです。(p.116)
・…研究は、どのような形で発表されるでしょうか。
① 査読付き論文…
② 研究報告書…
③ 本…
④ 査読の付かない論文…
⑤ 研究記事…
⑥ 新聞記事、雑誌記事
…欧米では研究者の業績を測る際に、何といっても査読付きの論文が重視されます…著名な大学の出版部から出された本も同等の価値を認められます。日本では、分野にもよりますが単独の著書に価値が置かれる傾向にあります。(p.121-122)
・研究の問いにふさわしい条件を整理すると以下のようになります。
① 特定されている…
② 一重の問いである…
③ 検証可能である…
④ 疑似相関を問うていない。(p.133)
・アウトラインを書く理由は大きく分けて下の四つです。
① 論文の設計図としてアウトラインを書く…
② 他人の助けを得るためにアウトラインを書く…
③ 思考を助けるためにアウトラインを書く…
④ スケジュール管理のためにアウトラインを書く。(p.142-143)
・一次資料を使う際には、その資料がどの程度信頼のおけるものか、見極めることが大切です…
① お金を出しているのは誰か…
② そのメディアはどのように作られているのか…
③ 誰が作っているのか…
④ 一体どのような環境で作られたのか。(p.156)