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Mike's Blog

これまで読んできた本を引用を含めて紹介します。 Introducing books I have read including citation http://www.arsvi.com/w/km18.htm

堤未果『沈みゆく大国アメリカ』を読んで

 

沈みゆく大国アメリカ (集英社新書)

沈みゆく大国アメリカ (集英社新書)

 

 医療問題に関心をお持ちの方におすすめの一冊。以下に重要と思われる箇所を引用します。

・自己破産原因理由のトップは「医療費」だ。(p.33)
・全米五〇州のうち四五州は、保険市場の五〇パーセント以上が一社か二社の保険会社に独占されているのだ。(p.46)
・アメリカの医療保険システムは複雑すぎて、国民の大半はそのしくみすら理解していないのだ。(p.55-56)
オバマケアは既往歴や病気を理由にした加入拒否を違法にしたが、多くの保険会社は代わりに薬を値段ごとに七つのグループに分け、患者の自己負担率を定額制から一定率負担制に切りかえていた。このやり方だと、HIVやがんのような高額な薬ほど、患者の自己負担率は重くなる。(p.59)
HIV薬と同様、リウマチや心臓病、糖尿病など、慢性疾患薬の多くが処方薬リストから外され、国内トップレベルのがんセンターは保険のネットワークから外された。(p.60-61)
・…最貧困層になればメディケイドに加入して税金で薬代も払ってもらえるし、フードスタンプももらえる。(p.63)
・…国からの治療費支払い率がメディケイドは民間保険の六割と非常に低く、メディケイド患者を診れば診るほど、医師や病院は赤字になってしまうからだ。(p.87)
・メディケイド患者が増えるほどに、税金で支払われる薬代が増える製薬会社の株価上昇率をみればわかります。彼らこそオバマケアの勝ち組ですよ…(p.93)
・…アメリカの医療費を毎年異常に押しあげている最大の原因は、民間医療保険と薬価です。(p.100)
・保険料の値上がりで勤務時間を減らされたり、リストラされた人々の多くは、義務化された保険料を支払うために仕事をかけ持ちしなければならなくなった。(p.105)
・…高すぎる医療保険と治療費、そして薬価という最大の元凶は、決してこの「無駄」に関する議論には出てこないのだ。(p.105)
・…アメリカのオバマケア保険には、新しい規則がうんとたくさん加えられている…医師の事務作業が膨大に増えてしまう。そのうえ治療費の支払い率はメディケアより悪い。(p.110)
・アメリカでは毎年、患者から医療保険会社と製薬会社に支払われる額がおそろしくあがる一方で、医師たちに払われる金額はどんどん減っている。医師たちは報酬を減らされるうえに、書類の山に埋もれ、国が決めたたくさんのルールにしばられ、治療方針を決める主権を年々うばわれ、患者の顔をみてじっくり話せる時間も少なくなっているのだ。さらに大半の意思はその肩に、大きな借金をのせている。(p.133-134)