Mike's Blog

これまで読んできた本を引用を含めて紹介します。 Introducing books I have read including citation http://www.arsvi.com/w/km18.htm

小川洋『消えゆく限界大学――私立大学定員割れの構造』を読んで

 

消えゆく「限界大学」:私立大学定員割れの構造

消えゆく「限界大学」:私立大学定員割れの構造

 

 大学に関心をお持ちの方におすすめの一冊。以下に重要と思われる箇所を引用します。

・私大のリストからの消え方には三通りある。ひとつは公立への移管、ひとつは他大学への統合、そして完全な閉校(廃学)である。(p.14)
・授業料などの学納金収入に大きく頼る私大では、十分な数の学生を集めなければ早晩、経営危機に立ち至る。学校には厳格な定員制が求められ、必要とされる教員数および施設・設備さらに補助金の算出根拠ともなる。(p.18)
・これだけ大規模な入試を行なって、各大学とも最終的には定員の数パーセントの誤差に収めている。なぜそのようなことが可能なのか。その最大の理由は入試方法の多様化である。(p.21)
・…なぜ大幅に定員割れしていながら大学を維持できるのか…定員以上の学生を確保していた時期の財政的な蓄積があることと、グループ内の中学や高校などの収入を法人内で融通することが可能だからである。(p.32)
・大学進学率を予想以上に長期にわたって大きく押し上げた大きな要因は、進学志向の全般的な高まりと高卒就職環境の壊滅的な悪化であった。(p.64)
・大学にとっては十八歳人口の急減による進学者の減少を覚悟していたところに、皮肉にも受験競争の鎮静化とバブル崩壊とが、高校生たちを大学進学へとプッシュすることになり、受験生の波は予想以上に長期化した。(p.66)
・…地域社会からの信頼、つまり地域限定のブランド力が前提となる。(p.182)
・適切な入学前教育と初年次教育は離学率の低下に直結する。(p.185)
・効果的な学生募集戦略が立てられているのも成功している大学の共通点である。(p.188)
・十分な準備もないまま留学生への依存を強めていけば、大学は必ず疲弊していく。(p.195)