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Mike's Blog

これまで読んできた本を引用を含めて紹介します。 Introducing books I have read including citation http://www.arsvi.com/w/km18.htm

隂山英男『学力の新しいルール』を読んで

 

学力の新しいルール

学力の新しいルール

 

 教育に関心をお持ちの方におすすめの一冊。以下に重要と思われる箇所を引用します。

・…この本で私の提案する新しい仮説とは、「子どもたちは、二段階で、知力・体力ともに衰えた」ということです。一度目は一九八一年を境に、二度目は一九九三年を境に。(p.18)
・…一九八一年と一九九三年にがくんと体力が落ち、そして不登校と校内暴力が増加している。(p.26)
・安いテレビ、レンタルビデオ、それからテレビゲーム、こういうものが、急速に子どもたちのなかに普及していくのが八〇年代なのです。その結果、睡眠時間の急速な減少ということが起きていったのではないか…八〇年代以降、子どもの夜型化が急速に進んだのです。(p.32-33)
・一九八一年、コンビニエンスストアの前年度対比の純増数はピークに達します。社会の変化とともに生活の変化は起き、そして文化の変化につながっていくのです。(p.34)
・…睡眠の不足は新しい荒れという形で現れてきました…教室にきちんと座っているのが難しくなった子どもたちの登場、これが新しい荒れです。「学級崩壊」という言葉が生まれました。(p.34-36)
・…学力低下問題というのは、京都大学の学生の学力が低下しているという指摘から始まった…勉強をしているにもかかわらず学力低下をしているのです。(p.46)
・私は「学力低下問題」はふたつの層にわけて考えるべきだと思っています。ひとつは、いわゆる難関校とよばれる大学に入った学生たちの学力低下の問題。いまひとつは、九二年の「新・学力観」の生み出した基礎基本軽視のカリキュラムのなかで生まれてきた公立中学の授業がなりたたないほどの学力低下の問題。両者ともに共通しているのは、小学校・中学校時代における生活の夜型化です。(p.50)
・学力の新しいルール その1
1、 生活の夜型化をあらため、遅くとも夜10時までには子どもを寝させるようにする。
2、 …塾から帰宅後はすぐに寝させるようにする…
3、 朝早くおきて朝食を家族でとるようにする。
4、 …基礎基本をしっかりと小学校時代に身につければ、どんな大学にも入ることができる。(p.55)
・…「一九九三年問題」は、社会構造の変化によって始まった子どもたちの知力・体力のおとろえを、「指導要領の詰め込み主義が悪いのだ」と勘違いしたところから始まります。(p.58)
・どこに「新・学力観」の問題があったのでしょう。もっとも問題だったのは、個性尊重という概念の解釈と運用です…能力の低さも個性のうちと理解されたことで、指導が迷走をはじめたのです。(p.66)
・次に問題だったのは、意欲と学力の相関関係です…意欲がないのは、子どもたちの生活習慣の崩れから来るものです。(p.70)
・さらに問題なのは、管理教育批判でした。(p.74)
・学力の新しいルール その2
1、 個性は苦しい努力の向こう側にしかない。
2、 主観で教育のおしつけはしない。事実に謙虚になる。
3、 世界地理や日本地理など知識としての教養を身につける。
4、 勤労と納税の義務を将来果たせるだけの教養を義務教育でつけさせる。(p.102)
・学力の新しいルール その3
1、 朝型の生活にきりかえる。
2、 子どもが小学校低学年だったらば、そろばんをやらせてみる。
3、 パソコン、携帯電話を子どもにあずけない。
4、 勉強時間は短く、集中してやるのがベスト。(p.146)
・学力の新しいルール その4
保護者向け
1、…いつもいい先生ばかりにあたるとはかぎらない。さまざまな先生に習うことをよしとする。
2、学校に求める前に、まず家庭で何ができているかを考える。
社会全体に
1、 学力低下の責任を教師のみにおしつけない。
2、 教師の免許制、成果主義は導入しない。
導入するのであれば、教育委員会に対する評価・チェックのシステムも同時に導入する。
3、 教育の新しい実践を研究、全国の公立小学校に普及させるためのシンクタンクを設立する。
4、 …ある方向性をもって指導している教員には、十年といった期間異動をしないでおく。
5、 …国語や社会、理科について検定制度をつくり、高校入試や大学入試の際の参考にする。
教員に
1、 子どもと保護者への窓口はつねに開けておく。
2、 トラブルに正面から向き合う…
3、 お山の大将にならない。柔軟に、何物からをも学ぶ姿勢をもち続ける。(p.192-193)
・学力のルール その5
1、 受験は手段、目標ととりちがえない。
2、 三〇、四〇代に大きな仕事をなす人間を育てるという気持ちで子どもを育てる。
3、 …親自らが先を見通す力が大事。
4、 先を見通すための魔法の薬はない。
5、 親もまた広く社会を勉強し続けていく。
6、 学びといういとなみに終わりはない。(p.209)