Mike's Blog

これまで読んできた本を引用を含めて紹介します。 Introducing books I have read including citation http://www.arsvi.com/w/km18.htm

山極寿一・尾本恵市『日本の人類学』を読んで

 

日本の人類学 (ちくま新書)

日本の人類学 (ちくま新書)

 

人類学に関心をお持ちの方におすすめの一冊。以下に心に響いた箇所を引用します。

・文明を論じるうえでも人間の感性、特に生物学的な五感をもとにした情緒的な側面はすごく大きい…(p.29

AIがいくら進歩したとしても、おそらく解決できないであろうことが二つあります。まず、AIは人間関係をコントロールできない。そしてAIは、我々に死後の世界を与えてくれるわけではない。(p.30

・…「狩猟民は、足元が暗くなる前に家に帰る」…(p.35

・…「ヒトが何度やっても同じことが起こる」という証明ができない。(p.40

・個々の文化はそれぞれ歴史を持っていて、決して同じ法則には収斂できない…人間は同じ行動ができないから、その中にある程度ルールや規則を見出す。それが秩序というものをつくる…(p.42

・学生と教員が垣根を越え、互いに罵り合ったりしながら切磋琢磨する機会がない…(p.52

・…違う考えを持った人間が集まって議論を交わす。(p.54

・人の下に立って、目的的な研究を志向してはいけない。儲かることを考えるな。アルバイトしてる暇があったら考えろ。学問を楽しめ。(p.57

・京都に来た一番の理由は、紛争…いろいろなしがらみから逃れたいという気持ちもありましたね。(p.58-59

・ぼくは最初、人類学をやろうと思ってなかった…物理学をやろうかな…本当は宇宙飛行士になりたかった…でも大学時代に伊谷さんの本に出会って…講義も受けて…方向転換した…(p.59-60

・どういう目的で研究するかが重要ですね。(p.83

・ぼくの直近の先輩たちがみんなチンパンジーをやっていたので、それとは違うものをやりたいと思った…ゴリラは人間とちょっと違っていて、ある意味で人間を超えている感じがした…ゴリラをやったら、人間がまだ到達していないことがわかるんじゃないか。(p.97

・社会性から見ても、ゴリラというのはとても抑制のきいた社会をつくっています。(p.106

・ぼくらは一回しか起こらない現象を相手にすることがある…繰り返されないので、科学論文に書くことは難しい。(p.116

チンパンジーには優劣に準じて行動する能力がありますが、ゴリラにはそれがない…ゴリラに認知実験ができないのは、教師を自分より上の存在として認めないから…相手の言う通りになることが嫌い…(p.121

・我々は狩猟採集民から「私有というのはそんなに大切なのか」ということを学ぶべき…死ぬ時には何も持っていけない。ものを持っていられるのは、生きている間だけ…(p.136

・彼らの間では、あらゆるものは共同と見なされている。これは我々にとっても、すごく参考になること…(p.161

・…自分の時間をたくさん持っていたら本当に幸福なのか。(p.162

・…他者とともにいる時間を価値づけなければいけない。(p.163

・他の動物とは大きく異なるヒトの特性は、一種でありながら世界中に分布しているということ…(p.174

・ぼくは、これから世界を制するキーワードは情緒だと思う…心の部分…(p.214

・ぼくは、反省や自己反省が行われなかった大きな原因は、原子力にある…(p.222

・今は業績主義で、論文の内容よりも数のほうが重視される。だからどうしても、論文になりやすい研究をしてしまう。(p.235

・ぼくは、世界で重要になってくるのはたしかな人間観だと思います。(p.237

・…科学と宗教がきちんと手を取り合っていかねばならない。そのためには対話をしなければいけません…(p.239